キャリア形成のためのアドバイザー

社会人の方のなかには、現在の仕事に不満があるという方も多いのではないでしょうか。
このような不満は労働環境や人間関係に原因があることもありますが、ときには現在の職場では自分のスキルを活かす機会がないと感じていることが原因となる場合もあります。
こうした理由から、転職を決心することもあるでしょう。
ただ、むやみに転職しても結局は同じ不満を抱くことになるかもしれません。

こうした悩みに応える職業がキャリアコンサルタントです。
キャリアコンサルタントは個人の能力や生き方、価値観などに基づいたキャリア形成を促すことを仕事としています。
かつての終身雇用、年功序列制が崩壊したいま、自分自身でキャリアを作っていくことが求められています。
そのためには、こうした自発的なキャリア形成を手助けする人物が必要となるのです。

具体的にはどのような職務を行うのでしょうか。
キャリアコンサルタントは、転職や異動、キャリアアップ、人間関係などについての相談から、履歴書の書き方、面接の受け方、自己分析などの指導まで、広範囲にわたる支援を行います。
相談・指導の形式も多様で、個別面談だけでなく、グループワークや大勢を対象とした講義などを行う場合もあります。

キャリアコンサルタントの資格を持っている方は様々な場所で活躍しています。
代表的なのはハローワーク等の公的機関の相談員ですが、それだけではありません。
企業に在籍し、人事部や相談室などで相談を行う方もいますし、教育機関で講師となる方もいます。
もちろん、キャリアコンサルタントとして独立して活動している方もいます。

資格としてのキャリアコンサルタント

以上のように様々な場面で活躍しているキャリアコンサルタントですが、資格としても人気があります。
この背景にあるのは、厚生労働省によるキャリアコンサルタント取得者を増やすという計画です。
これにより、厚生労働省による指定を受けた認定試験や養成講座が誕生しました。
また企業に対し、従業員にキャリアコンサルタントの資格試験を受験させる場合に、その受験料や学習に必要となる講座受講料分の助成金を支給し、資格取得を促したという経緯もあります。

キャリアコンサルタントについての資格もいろいろで、厚生労働省による認可を受けた民間団体による10個の資格の他、キャリア・コンサルティング技能士と呼ばれる国家検定も存在します。
難易度としては、民間団体による資格は標準的なものであるのに対し、キャリア・コンサルティング技能士は国家検定だけあって難しめです。
そのうえ、キャリア・コンサルティング技能士には1級と2級があり、特に1級技能士は指導者レベルともいわれ、さらに高い難易度の試験に合格しなくてはなりません。
なお、資格を持っていない場合でも、研修を受けることでキャリアコンサルタントとして登録することもできます。