時代のニーズから生まれた新しい資格

日本が超高齢化社会といわれるようになって久しいですが、その状況は依然として改善の兆しが見えません。
このような背景から、介護や福祉に関する職業は常に人手不足の状態です。
しかも、これらの職種は仕事がハードであることで知られており、このことが離職率を高める要因にもなっています。
その一方でニーズは増え続けており、こうした状況への対応が必要です。

さて、介護・福祉関係の職業としては介護士が有名です。
しかし、それだけではありません。
近年では福祉住環境コーディネーターと呼ばれる資格もあります。
ご存じないという方も多いと思いますが、福祉に対する関心の高まりを受け、注目されている資格のひとつです。

では、どのような資格なのでしょうか。
福祉住環境コーディネーターは1999年から始まった比較的新しい資格で、高齢者や障がい者の方が自立しながらも安全かつ快適に暮らせるような住環境をコーディネートするのが仕事です。
超高齢化社会となった日本では、こうした住環境の整備が急務となっています。
だからこそ、福祉住環境コーディネーターに対するニーズも高まっているのです。

ただ、どのような住環境が快適かは人によっても異なりますので、臨機応変に対応していかなくてはなりません。
そのためには、建築関係者などの専門家との連携が求められ、その実現には医療や福祉、建築などの幅広い知識が必要となります。

資格を取るためには

このようにニーズの高まっている福祉住環境コーディネーターですが、実際、興味を持っているという方も多いと思います。
しかし、専門性の高い資格であるだけに、難易度が高いのではないかと不安を覚えている方もいるのではないでしょうか。
確かに、この資格を受験した方の多くは介護士、建築士、ホームヘルパーといった福祉や建築、医療に関する職業に就いています。
とはいえ、受験資格はありませんので、学生や主婦の方なども受験しています。

また、福祉住環境コーディネーターには1~3級の資格があります。
仕事とするためには2級以上を取得しなくてはなりませんが、3級なら基礎的な知識で答えられるので、興味のある方は手始めに3級を目指して勉強することをおすすめします。
職業によっては、この資格を取得することでスキルアップにつながるかもしれません。
先に挙げた介護士や建築士などの職業では、この資格試験で学ぶ内容が実際の職務で役に立つでしょう。

3級および2級の試験は7月と11月に行われます。
1級は11月のみで、マークシート式の問題が出される前半の試験と記述式で出される後半の試験に分かれています。
3級、2級には受験資格はありませんが、1級の受験には2級の合格が必要です。
興味のある方は挑戦してみてはいかがでしょうか。