ブラック企業とはどこに特徴があるか
ここ10年くらいの間に急激に認知度が高くなったのが、劣悪な労働条件が慢性化している「ブラック企業」という言葉です。
ブラック企業の代表的な特徴としては、「残業代未払い」「過度な長時間労働の慢性化」「パワハラ」といったことが挙げられます。
就職難の時代に追い込まれた若い世代がブラック企業に勤務をし、そこで心身を壊して働くことができなくなってしまったという事例は年々増えており、自己責任ではなく社会的に撲滅を目指していくということが必要となっています。
もともと「ブラック企業」という言葉はネットスラングから発祥したもので、労働基準法を完全に無視した独自のルールで労働を強要しているところを指して使われました。
現在ではさらに範囲が拡大した「ブラックバイト」も登場しており、もはや不景気だから、デフレだからという言葉だけでは片付けることはできません。
現在では厚生労働省が本格的にブラックバイト撲滅のために動いており、それまで漠然とした意味で使われてきた「ブラック企業」の定義もまとめられてきました。
ブラック企業と呼ばれる企業にも3種類があり、「使い捨て型」「選別型」「無秩序型」があります。
この分類は労働相談を受けるNPO法人POSSEによるものですが、かなり適切な分類であるとして、広く企業運営やコンプライアンス指導の現場で使用されています。
「使い捨て型」とは社員の健康を無視した過度な労働時間やノルマを課し、動けなくなったらそこで一方的に切り捨てるというところです。
「選別型」とは最初から離職することを前提として大量の人材を採用し、残った人間だけを雇用するところです。
「無秩序型」は会社が組織の体をなしておらず、パワハラやセクハラなどアンモラルな行為が蔓延しているというところを指します。
ブラック企業かどうかは「離職率」でわかる
ブラック企業の見分け方の基本として「離職率」を調べるということがあります。
ブラック企業では人材を大切に育てるという意識が全くありませんので、常に人手不足で毎月のように誰かが辞める状態が続いています。
人手不足がますます現場を圧迫して、それがさらに職場のブラック化を進めるということも珍しくなく、ハローワークに常に求人票が出続けているところなどは特に要注意です。
また応募前の遅い時間にその企業近くを訪問してみるというのも判断の仕方の一つです。
夜10時過ぎまでオフィスの電灯が煌々と照り続けていたり、人の気配が途切れないといったような場合は社内で長時間労働をすることが当たり前になってしまっていることが考えられます。
採用面接に行ったときには社内の雰囲気をよく観察するようにし、明らかに疲れてみえる社員がいないかというところに注目してください。